MENU

顔つきに隠された本音は?『ずるい人』を見分ける表情のサイン

「この人、なんだか信用できないな…」

初めて会う人や、会話を重ねる中で、ふとそう感じたことはありませんか?明確な理由はないけれど、相手の表情や顔つきから、言葉の裏に何か隠されているような違和感を覚える。それは、私たちの脳が言葉だけでなく、非言語的な情報から相手の心理を読み取ろうとしているからです。

心理学や行動科学の分野では、人が本心と異なる感情を抱いているとき、そのサインが顔の微細な動きや表情パターンに表れることが指摘されています。今回は、そうした「ずるい人」の顔つきに見られがちな特徴や、その背景にある心理的サインについて解説します。

目次

ずるい人の顔つきの特徴とは?

顔つきは、その人の内面や習慣的な思考パターンを無意識のうちに反映する鏡のようなものです。特に、本心を隠したり、自分を有利に見せようとする人には、以下のような特徴が見られることがあります。

視線が落ち着かず目をそらしがち

対面で話しているとき、相手の視線が定まらず、頻繁に目をそらす傾向が見られることがあります。これは、話している内容に自信がなかったり、嘘を見抜かれるのを恐れる心理的な防衛反応として現れることがあります。また、相手の反応をうかがうために一瞬だけ鋭く視線を向け、すぐに逸らすような動きも特徴的です。

これは、心理学で「行動の漏洩(leakage)」と呼ばれる現象の一例です。本心と異なる言動をするとき、無意識のうちに本来の感情が非言語的な行動として漏れ出てしまうと考えられています。嘘をついている時の視線の揺れは、まさにその典型的な例です。さらに、目を合わせないことで、相手に自分の本心を深く探られるのを避けようとする心理も働いていると言えます。

口元にごまかすような笑みが出やすい

心から楽しいわけではないのに、その場を取り繕うために口角だけを上げるような不自然な笑い、いわゆる「ごまかし笑い」です。本物の笑顔が目元と口元の両方が協調して動くのに対し、こうした笑みは口元だけで作られるため、どこかぎこちない印象を与えます。

この現象は、心理学者のポール・エクマンが提唱した「デュシェンヌ・スマイル」と対比すると理解しやすくなります。本物の笑顔であるデュシェンヌ・スマイルでは、目の周りの眼輪筋が収縮し、目尻にシワ(カラスの足跡)ができます。しかし、ごまかし笑いではこの筋肉が動かないため、笑顔が目にまで届いていないように見え、相手に冷たい、あるいは不誠実な印象を与えてしまうのです。

表情が状況によって変わりやすい

話す相手やその場の雰囲気に合わせて、まるで仮面をかえるように表情をコロコロと変えることがあります。例えば、上司の前では真剣な顔をしているのに、部下の前では急に横柄な顔つきになるなど、その変化が極端である場合、相手をコントロールしようとする意図が隠されている可能性があります。

このような状況依存的な表情の変化は、その人が一貫した自分自身を表現しているのではなく、「その場で最も得をする自分」を演じようとしているサインと見なせます。これは、相手の立場や力関係を瞬時に見抜き、自分にとって有利な関係を築こうとする計算高さの表れと言えるでしょう。

ずるい人に見られる表情の傾向

個々の顔つきの特徴だけでなく、顔全体から感じられる「傾向」も、相手の本音を読み解くヒントになります。

目が笑っていない不自然な笑顔

心から笑っている笑顔は、目の周りにある眼輪筋が収縮し、目尻に自然なシワが生まれます。しかし、表面的な笑顔は口元だけで作られることが多く、目が笑っていないため、どこか冷たい印象や作り物のような不自然さを感じさせます。これは、相手に対して心を開いていないことの表れであり、言葉とは裏腹に心理的な距離を置いているサインでもあります。

相手を試すような鋭い視線

一見普通に話しているように見えても、相手の言葉や態度に一瞬だけ鋭く、じっと探るような視線を向けることがあります。これは、相手の反応を冷静に分析し、自分の次の行動を計算しているサインかもしれません。たとえば、相手が少しでも動揺したり、困惑したりする様子を捉えようと、言葉の端々で探りを入れ、その反応を注意深く観察しようとします。この視線は、相手の弱点や隙を探るための行為とも言えるでしょう。

顔全体に計算高さが表れやすい

特定の部位だけでなく、顔全体の筋肉が常に緊張していたり、リラックスできていない印象を与えることがあります。これは、常に「どうすれば自分にとって有利か」を考えている思考が、無意識のうちに表情筋に影響を与えているためと考えられます。例えば、発言する前に一瞬だけ顔がこわばったり、何かを隠そうとするときに顎のラインが硬くなったりすることがあります。こうした無意識のサインは、その人が常に状況をコントロールしようとする心理状態を物語っているのです。

ずるい人の顔つきに表れる心理的サイン

これらの特徴や傾向は、単なる癖ではなく、その人の心理状態や価値観が顔に現れたものです。顔つきからにじみ出る心理的なサインを理解することは、相手の本音をより深く読み解く上で役立ちます。

本心を隠そうとする防衛反応

表情や視線が不安定になるのは、自分の本心を悟られまいとする強い防衛意識の表れです。これは、自分の内面や脆弱性をさらすことを恐れ、自己を守ろうとする心理が働いているためです。例えば、本音を話すことによって自分が不利な立場に置かれることを避けたり、他者からの批判を恐れたりする心理が、無意識のうちに顔の動きとして現れます。相手に隙を見せることを避け、常に自分の立場を守ろうとする防衛的な姿勢は、表情だけでなく、身振り手振りにも表れることがあります。

利己的な思考が滲み出る表情

自分の利益を最優先する思考回路は、無意識のうちに顔の微細な動きに影響を与えます。自分の計画がうまくいっているときは満足げな表情になったり、予期せぬ事態には一瞬だけ焦りの表情が見えるなど、言葉とは裏腹なサインが読み取れることがあります。これは、相手の感情や状況を考慮するよりも、自分の得失を第一に考える思考が、顔の筋肉に反映されるためです。例えば、他者の成功話を聞いたときに、心から喜ぶ表情ではなく、どこか悔しそうに見えたり、無関心な態度をとったりするのは、自分の利益につながらない事柄への興味の薄さが現れていると解釈できます。

信用しづらい印象を与える雰囲気

これまでの特徴が複合的に現れると、周囲に「何を考えているかわからない」「信用しづらい」という漠然とした不信感を与えます。言葉では良いことを言っていても、表情から伝わる違和感が、相手との間に心理的な壁を作ってしまうのです。この不信感は、私たちが本能的に感じる危険信号のようなものです。言葉と非言語的な情報に食い違いがあるとき、私たちは後者、つまり表情や態度の方をより信じやすい傾向にあります。このため、言葉では誠実さを装っていても、顔つきがそれを否定していると、相手は無意識のうちに警戒心を強めてしまうのです。

まとめ

顔つきや表情は、その人の内面を知るための重要な手がかりです。特に、視線や笑顔、表情の変化に注目することで、相手の言葉だけでは見抜けない本心や、隠された心理的サインを読み取ることができます。

しかし、顔つきだけで人を完全に判断するのは早計です。人の表情は文化や個性、その日の気分によっても変わります。大切なのは、観察した情報と、その人の日頃の言動を総合的に見ることです。言葉と非言語的なサインの間に矛盾がないか、日々のコミュニケーションの中で注意深く観察することが、より健全な人間関係を築く上で役立つでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次